時空を越えた悪夢のご招待
〜究明編〜
ガシャン!!
星史「よっと!!メイン制御室に到着っと…」
三人は途中苦労しながらも、通気口を通り無事メイン制御室に到着した。
浜田「ま、舞人、ゆっくりと降ろしてくれよ?」
舞人「大丈夫!しっかり掴んでいるから!!」
星史「浜田さん、降りるの手を貸しますよ!!」
浜田は恐る恐る降りようとする。そんな彼を星史と舞人がしっかりとサポートしようとした矢先だった。
ツルッ!!
舞人「Σわ!」
浜田「Σちょ、舞人!!」
星史「え…ちょ、Σわぁー!?」
ドシーン…
浜田をゆっくり降ろそうとした舞人が、見事に足を滑らせ、浜田と共に下へ落下した。
星史「グヘェ…(悶絶)」
当然の如く、星史は二人の下敷きなっていた。星史にとって最近のお約束である。
浜田「痛たたた…舞人ー…しっかり掴んでるんじゃなかったの?」
舞人「ごめんごめん、足が滑っちゃって、止められなかったんだ…」
浜田「ったく〜しっかりしてくれよ〜」
舞人「ごめんごめん。」
星史「話は後にして、二人とも早く俺の上から退いてくださーい!!(苦)」
そんな二人の会話に割って入るように、星史はもがきながら悲痛の声を上げる。
浜田「あ、ごめん、星史君!!」
舞人「今、退くから!!」
舞人「星史君、怪我はないかい?」
星史「怪我の心配してくれるなら、一番下で潰れてる俺を心配して、さっさと退いて欲しかった…(--;)」
舞人「ごめんごめん。」
舞人の平謝りに星史も呆れた表情を浮かべる。
星史「まぁ、いいですよ(汗)それにしても、見るからにセキュリティの堅さは最強だな、これを全て突破したのかよ〜…」
舞人「ああ、敵ながらあっぱれと言うしか他ならないさ。」
見渡す限りに徹底した管理ぶりが星史には一目でわかった。それと同時にこのセキュリティが簡単に破られてしまった事が到底信じられなかった。
浜田「感心もその辺にして時間もない、早速始めよう!!」
星史「ええ、俺はログを解析してみます。まずはログを調べてプログラムの存在を明らかにしないといけませんしね。」
浜田「OK!僕は使われたプログラムが特急隊に現時点でどのような影響を受けて暴走しているのか解析してみる、不審なログを見つけたら、報告してくれ。直ぐにプログラムの解析に取り掛かる。」
星史「分かりました。」
浜田「舞人はどうする?」
舞人「あ、俺は……」
話を振られると突然舞人は口ごもる。
浜田「何?」
星史と浜田に何かよからぬ事が過る。
舞人「……」
浜田「ま、まさか…ね…」
星史「俺、今すんごく嫌な予感しかしないんですけど…」
浜田「舞人…ノープランじゃ…ないよね?」
舞人「アハハ…いや、ここのセキュリティに関してはかなり疎いんだ。構築から運用まで全部社員に任せっきりだったから…」
星史「な…ぬ?(汗)」
舞人「やっぱり、不味いかな…」
二人の冷ややかな視線に舞人は苦笑いを浮かべる。
浜田「…舞人…取り敢えず行動しなければっていう正義感だけで来た?(冷汗)」
舞人「いや、その…」
浜田「行動するのは評価に値はするけどね…行き当たりばったりで何とかなる程、甘くは…ないよ?」
舞人「……」
星史「あの〜舞人さん…マジで?(汗)」
浜田「その様子からすると…マジ…なんだね?(汗)」
舞人「ま、まあ、居ないよりはいいかと…アハハハハ(苦笑)」
星史はがっくりと肩を落とした。今回は浜田も同じである。申し訳なさそうに浜田が星史に告げる。
浜田「ごめん、星史君。つ、つまりね、現状、舞人は役立たないという事らしい…(冷汗)」
星史「はいはい…いずれにしても、俺は自主的に手を挙げる以前に絶対駆り出される運命だったんですね…(-o-;)」
舞人「みたいで、申し訳ない。」
星史「ぶっちゃけ期待して損しましたよ…」
星史の落胆ぶりが目に余る。
浜田「と、取り敢えず、舞人は星史君の手伝いだね…星史君、僕がどれがどのシステムだか大体を手短に教えるから、それでログ辿れるよね?」
星史「ええ、以前来た時に少し見させて貰いましたし、いけると思います。」
舞人「それじゃあ、改めて取り掛かろう!」
浜田「舞人が仕切らない!」
舞人「ごめんごめん!」
星史「緊張感ねぇな、まったく…(汗)」
後先を不安に感じる星史だった。
なんだかんだで作業が始まり、それから数十分後の事だった。
星史「浜田さん、これ!」
ログを調べていた星史が早速、気になるログを見つけ、浜田に確認を仰ぐ。
浜田「何か見つかったかい?」
舞人「どれどれ?」
浜田と舞人も星史が直視しているモニターを覗き込む。
星史「このログに間違いなさそうですね、経由も不明瞭だし。」
浜田「だね!OK、後は任せてくれ。これで突き止められる!」
舞人「流石だね、星史君。」
星史「役に立たなきゃ、来た意味ないですからね!」
浜田は星史が突き止めたログを頼りに送られてきた未知のプログラムを徹底的に洗い出す。
浜田「よし、こいつだ!送られてきたプログラムは!」
舞人「どういったプログラムになってるんだい!」
浜田「…これは恐れ入るね…見た感じ『魔のオーラ』を改良して再プログラム化している。」
浜田は関心とも取れる表情を見せ、語る。
星史「それじゃあ、やっぱりブラックノワールが関与してる!?」
舞人「まだ存在しているとは…」
浜田「残念ながらゼロじゃないみたいだね、このプログラムは言わば『魔のオーラ』の強化版だよ、イノセントウェーブのデータをバスティングプログラム化してみてぶつけてみる!」
明らかになったブラックノワールの存在。三人はやり過ごせない思いを感じた。
その思いを噛み殺し、浜田は早速イノセントウェーブのデータをバスティングプログラム化して相殺しようと試みる。
しかし…
ピー!!
浜田「Σな!?馬鹿な!」
舞人「どうした!浜田君!」
浜田「…やられたよ、ぶつける前にプログラムも今調べてたログ諸共デリートされた。」
舞人「何だって!」
星史「勇者特急隊は!?」
浜田「ダメだ。プログラムがデリートされても未だに暴走を続けてる。恐らく今のプログラムはデリートプログラムであって本来のプログラムは消滅していない。」
星史「クソ!デリートプログラムだったのか、見事に罠にまんまとハマったわけか。」
相手の術中にハマり、一変して万事休すの状態になってしまった。浜田は深く考え込む。
舞人「という事はプログラムはガインたちの超AIのシステムに結びついている可能性があると。」
浜田「ああ。現状バスティングプログラムはもう使えない。残る止める方法としてはあと二つだけだ。」
星史「その二つってのは?」
浜田「一つ目はガインたちの超AIを遠隔操作でフォーマット…つまり初期化して強制的に機能を停止させる。」
星史「Σな!それって記憶もすべて消えてしまうんじゃ…」
浜田「そう、最終決戦で生き残ったガインも含めてね。」
舞人「最終決戦後の時はデータベースにバックアップがあったから、破壊された他の特急隊も元通りに記憶も戻ったが…」
浜田「今はもうそのバックアップも存在しない。フォーマットしてしまえば、記憶は全てデリートさ。しかし、それでも止まらなかったら、もう成す術はない。」
星史「く…」
浜田「そしてもう一つの案は…」
舞人「それは…」
浜田「この方法は舞人、君の力が必要なんだ。」
星史「え、舞人さんの?」
舞人「どういう事だい!」
浜田「やや非道理ではあるけど、現在実験中の仮想システムを使う。」
舞人「仮想システムを!」
星史「どういう事です?」
浜田「今、実験が行われてる仮想システムはね、人間の精神をデータ化して電脳世界にリンクさせた仮想空間へ送り込み、電脳世界に直接アクセス出来るようにした最先端技術さ。これを使って意思を失っているガインたちの超AIに直接問い掛け意思を回復させる。」
舞人「なるほど…成功する確率は?」
浜田「分からない、まだ実験段階だから、危険も大きい。例え、成功したとしても舞人の精神が現実世界に戻る事が出来ず、永遠に電脳世界を彷徨う可能性だってある。そうなってしまうと…」
星史「舞人さんは起きる事無く、植物状態になるって事ですか?」
浜田「その通りだよ。だからこそ、この方法は出来れば避けたい。だけどデリートプログラムを仕込まれるぐらいだ。超AIをフォーマットしてもガインたちの暴走が止まるとも思えない。」
舞人「確かにそこまで見越されている可能性がある。」
浜田「ガインたちは今ではこの世界では最強のロボットだ。ちょっとやそっとじゃ、傷もつかない。核兵器でも完全に破壊出来ないほどに徹底的に強化も施されている。このまま暴走が止まらなければ、旋風寺コンツェルンどころか世界が最後を迎えてしまう。」
勇者特急隊全機の超AIを初期化しても、暴走が止まらなければ一巻の終り。はたまた仮想プログラムで直接語り掛け意思を回復させても舞人が戻れなくなる可能性もある。苦渋の決断が刻々と迫られ、遂に舞人は決断した。
舞人「…浜田君、仮想システムは確か実験用で2台あったね。」
浜田「舞人…危険を承知でやるのかい?」
舞人「ここは俺の世界であり、俺たちの問題だ。社長として命を賭けてもガインたちを止める。これは俺の宿命だ。」
浜田「…わかった。その正義感なら、奇跡が起きるかもしれない!賭けよう。」
舞人は仮想システムを使用して、自分の精神を電脳世界に飛ばし、直接意思を復活させる危険な道を選んだ。
星史「奇跡は起きるもんじゃなく、起こすもんでしょ!(笑)」
舞人「星史君。」
舞人の決断に星史も決意の表情を浮かべる。
星史「我ながら言うのもなんですけど、もう一人正義感の強い人間がここに居ますよ!(笑)」
舞人「星史君、まさか!」
舞人は星史の思いを咄嗟に理解した。
星史「仮想システムは2台あるんでしょ?俺もそれで電脳世界に飛んでやりますよ!」
浜田「星史君、これはかなり危険だよ。星史君だって無事じゃすまないかもしれない。」
舞人「それでも、一緒に行くのかい。」
星史「舞人さんをひとりで行かすわけにはいきませんしね。ここまで来たら、とことん付き合いますよ(笑)」
舞人「ありがとう、星史君。」
浜田「参ったよ、まさか、ここまでとは…OK!早速準備しよう!」
かくして、星史も電脳世界に飛ぶ覚悟を決め、仮想システムの準備に取り掛かるのだった。
END 次回に続く
あとがき
遅くなりまして、申し訳ありません。
ようやく出来上がりました。
システム関係の言葉を乱用して、メチャクチャわけ分からなくなりそうながら、考えて作りました。
舞人さんのおとぼけ感を結果的に出してしまいましたが、最後はびしっと決めて貰ったつもりです。
星史君もびしっとして貰い、なんとか収まりました。
てなわけで、次回もお楽しみに。
2012/04/12
事件発生編へ 解決編へ