帰還して凡そ二時間後、ブレイブポリスオフィス会議室…

会議室では勇太とレジーナを始め警視総監である冴島十三、副総監の東一門、ブレイブポリスの開発設計者の藤堂俊助も交え、星史、舞人、ひかるの三人が自分たちの世界で起きたあの痛ましい石化事件をこと細かく丹念に話していた。

星史「…以上が事の真相です」

舞人「俺達にもここまでしかわかりません」

冴島「なるほど、そんな事があったのか。辛い話をわざわざ話してくれてすまなかったな」

星史「いえとんでもないです、気にしないでください」

ひかる「私達もお役に立てて嬉しいです」

勇太「重村カオリか〜…つまりその重村カオリは父親の復讐の為にそのゴルゴンの涙・・・・・・をとある人物から提供を受け復習に使用したという事か」

冴島「だが、問題の事件の首謀者である重村カオリ本人に提供した人間は未だ誰なのか解明されていないということだね?」

星史「ええ、残念ですが。アジトとなったドラゴンヘッドの研究所も自爆装置による爆発で木端微塵になり、手掛かりを探し出すのは困難を極めているようです」

舞人「星史君のお父さんである光一郎さんが先頭に立ってGDOで調査中とのことですが、未だに手掛かりがないのが現状のようですね」

藤堂「そいつぁ、難儀な事だな」

室内は重く張り詰めた空気に包まれていた。それもそのはず、星史たちの世界で起きた事件が再び勇太たちの世界で発生した事で既に動揺せざる得なかったからだ。話せば話すほど謎が深まる一方で実に不可解な事件には違いなかった。

ひかる「でも、重村カオリの遺体は見つからなかったんでしょ?もしかして重村カオリは生きていてこの世界で暗躍してるんじゃ?」

星史「それはねぇよ。重村カオリはこっちの世界との関わりは一切ないうちの世界の地球人だ、異世界間を行き来する技術を持つほど異世界に精通してた訳じゃない」

ひかる「そっか〜」

星史「けど、もしも共犯者が居るとしたら、話は別だ」

ひかる「そうか!共犯者が居れば、重村カオリもこっちに来れるのね!」

星史「あくまでも、想定だけどな、重村カオリ本人がいるという確証はないんだから」

舞人「でもまぁ、いずれにしても一つ確信が持てたね。ゴルゴンの涙・・・・・・を裏で提供している黒幕はこの世界でも暗躍している可能性が高い」

星史「もし、そうだとしたら、そいつも俺たち同様異世界間を渡り歩ける技術を有している事になります」

藤堂「そいつも別の世界の人間かもしれないのか」

レジーナ「恐らくそうでしょうね、それなら不明な点も合点がいくわ」

星史「…今、マイトステーションで調べてもらってる今回のウイルスがゴルゴンの涙・・・・・・であれば完璧に裏付けられるんですが…」

舞人「今、急ピッチで調べてもらっています、ご安心ください」

冴島「ありがとう、君たちがいてくれて心強い限りだ」

東「冴島総監、これは我々だけの手には負えません、政府に話し、自衛隊の全面協力を仰ぎましょう」

冴島「…無理だな、政府に通達したとしても、今日のように市街の防衛くらいしか協力してくれん。おそらく全面協力してくれるとすれば尾上せいあ一等陸佐率いる陸上防衛軍東北方面大隊第9師団くらいだろう、我々は政府には太いパイプがあっても自衛隊にはそこまで太いパイプは持っていないのだからな、そもそも異世界の人物が主謀犯かもしれんのに、それを彼らが信じると思うかね?」

東「た、確かに…私も信じ難いことですし…」

冴島「つまり、これは我々にしか対応できないのだよ」

ピーピーピー!

舞人「はい、こちら舞人!」

青木「舞人様、お待たせ致しました。鑑定結果が出ましたので、ご報告させて頂きます」

舞人「ありがとう、青木さん、それで結果は?」

青木「それにつきましては、浜田様に委ねさせて頂きました」

舞人&星史「「え?(汗)/は?(汗)」」

星史(すんご〜く嫌な予感…(汗))

Σバーン!

勢いよくドアが開くとそこには浜田の姿があった。

浜田「はいは〜い!という事で舞人!ここからは僕がちょくせ〜つ詳しく伝えるからね!」

舞人「は、浜…田…君…(汗)」

星史「うそーん…(汗)」

ひかる「け、結局、来ちゃったんですね…(汗)」

レジーナ「な、何なの、この空気ブレイカーぶりは…」

勇太「ハハハ…レジーナ、よくそんな言葉知ってるね…ま、まあ、空気の壊しっぷりに関しては右に同じな訳だけど…(汗)」

舞人「まさか、時空間転移装置で直接ここに来たんじゃ…(汗)」

浜田「ハハハ!ご名答!」

勇太「はあ〜、ねぇ、藤堂さん…ここのセキュリティ考え直さないといけないんじゃない?(汗)」

藤堂「ああ、こりゃあお話にならねぇなぁ…」

星史「あなた方は、空気を読むという事を知らないんですか…(汗)」

舞人「重ね重ね、本当に申し訳ない…(汗)」

浜田「漫画の締切も乗り越えた所でこっちで前回のゴルゴンの涙・・・・・・が使用された事件が発生してるって事を松原さんに聞いてね、調査に合流してついでに結果を持って来たってわけさ」

星史「調子がいいのやら、悪いのやら…(困惑)」

冴島「うぉっほん、それで結果はどうなのかね?」

浜田「あ、はい、では報告します」

浜田「今回使われた石化ウイルスを前回の星史君達の世界で使われたゴルゴンの涙・・・・・・の臨床データと照らし合わせ分析したところ、結果は陽性。やはりゴルゴンの涙・・・・・・に間違いありません。ですが、改良された形跡も十分に認められました」

舞人「生物以外は被害がなかったのが、無機物にまで被害が及ぶようになった事だね」

浜田「それが、それだけじゃないんだ」

浜田「耐久性と即効性がパワーアップしてるんだ。前回は30度以上の高温の中、長時間晒す事で爆発的に増殖し、逆に20度以下になると死滅していた。けど、今回は温度は関係ないみたいだね。温度が30度以上になっても増殖しない反面どんなに低温になってもワクチンがなければほぼ死滅しない。更に今回は外気に関係なく触れただけで、忽ち石化する即効性がアップしている。つまり既に液体化して脅威を持った状態になってるんだ」

ひかる「Σウソ!?それってかなりヤバくない!?」

舞人「なるほど、より凶悪になってしまったみたいだね」

レジーナ「まずいわね。早期に手を打たなければいけないわ」

冴島「うーむ、生産ラインを破壊する事が急務だな」

星史「はい、アジトを早期に見つけなければ…」

舞人「今日の被害から考えると既に大量に生産されていると考えていいでしょう」

話が進むにつれ、事態の深刻さが徐々に感じられ、室内には再び重い空気が張り詰めた。

その空気を破ったのは、勇太だった。

勇太「冴島総監!僕たちに出動許可を下さい!お願いします」

東「Σ!?何を言ってるんだ!?」

藤堂「度胸があるのは認めるが、危険極まりないぞ」

冴島「…本気なんだな?」

勇太「はい!突入まで一手に引き受けさせて下さい!まずはアジトを早期に発見して対策を練ります」

勇太の目から、これでもかというくらいに覚悟が漲っていた。

冴島はその決意の眼差しを見て納得の表情浮かべ、快諾する。

冴島「…よし、君に任せる」

東「Σな!?冴島総監!」

その発言に東は咄嗟に立ち上がり、異論を唱える。

東「無茶です!これは無謀すぎます!」

藤堂「残念だが、俺も同感だな、総監、少し荷が重すぎやしないか?」

冴島「東君、藤堂君、これは勇太君達にしかできん」

東だけでなく藤堂も身の安全を危惧し、異論を唱えるが、冴島の判断は一向に揺るぐ気配がない。

東「しかし、アジトを発見できたとしてまた奴らが暴れだしたら、どうするのですか?戦力的にも厳しいのですよ?」

星史「それなら、大丈夫ですよ。アジト急襲は別働隊に任せて、ブレイブポリスは市街への急襲に備え、待機にすればいい」

舞人「我々勇者特急隊も有事にいつでも出動出来るよう出動態勢を取らせます、もし市街の被害が酷いようなら、応援に向かわせるつもりです」

藤堂「おいおい、別働隊を組むのはいいが、ロボなしにどうやってアジトを急襲するつもり…っておいまさか生身で乗り込む気じゃないだろうな?」

星史「そうですよ、俺たちが単身で乗り込めばいい」

勇太「星史君!?」

ひかる「やっぱり行くのね、星史君」

東「待つんだ!もしも、万一の事があったら…」

星史「危険は承知の上です」

藤堂「だけどな…」

星史「では、誰がやるんです?恐らく身の安全を考えると、得体のしれない奴らに挑むなんてこと誰もやりたがらないはずですよ?」

舞人「まあ、星史君なら行くって言うと思ったけどね。ならば、もちろん、俺も行かなきゃね」

勇太「舞人さんまで!?」

レジーナ「…確かに単身で乗り込むには危険ではあるけど一理あるわ。アジトを急襲するなら、私たちが秘密裏に潜入し、破壊工作をするのが上策」

浜田「でも、前回と同様、万が一があれば命の保証は出来ないよ?」

藤堂「それでも、行くってのか?」

星史「もちろん」

星史はしっかりと答えた。その一言には、重い覚悟が感じられる。

勇太「…わかった、でも二人だけ行かしやしないよ、僕も行く」

藤堂「おい、坊主!」

星史「勇太…」

その答えに感化されたのか勇太も名乗りを上げた。

舞人「勇太君、危険だが、いいんだね?」

勇太「これでも、SATの特殊訓練を受けた身さ!僕だって危険は承知の上だよ!それに二人が動くのに僕だけがじっと待つんじゃ割に合わないよ、みんなには僕が指示を出しとけば、離れていても問題ないしね」

勇太の瞳には、固い決意が漲っていた。星史と舞人は顔を見合わせ、静かに頷く。

その光景を傍から見ていた東と藤堂もやれやれという表情で諦めざるをえなかった。

東「…ふぅ〜、どうやらこれ以上言っても無駄のようだな」

藤堂「ああ、ま、坊主には何度も奇跡を起こして助けてもらったしな、今更言う事じゃなかったみてぇだしな」

二人はもはや何も言うまいと心に決めたようだ。

勇太「東副総監、藤堂さん、ありがとう」

舞人「どうやら決まったようだね」

星史「ええ…冴島総監!」

覚悟を決め、改めて冴島に許しを請う星史たち。冴島も静かに頷いた。

冴島「ん、有事の際は、私が全面的に責任を負おう。これより捜査本部を立ち上げ、公開捜査に踏み切る。まずはアジトの発見に全力尽くす、発見次第アジトへの急襲は君たちに一任する、無論、市街はブレイブポリスが総力を挙げて全力で守る、異論はないな?」

勇太「はい!」

浜田「いざとなったらサリーちゃんも手伝ってくれるってさ!前回力になれなかったこともあるみたいだしね」

舞人「サリーちゃんが…フ、そうか」

ひかる「星史君たちが頑張るなら、今度は私も一役買わなきゃね!」

星史「ひかる…」

ひかる「うん、私にも出来る事はあるはず。浜田さんと一緒にみんなをサポートするわ、いいですよね、浜田さん」

浜田「オッケー!ちょうど人手が欲しいところだったんだ、宜しく頼むよ!」

ひかる「はい!」

星史は悟った、ひかるも力になりたいんだと…

星史(ひかるも自分なりに覚悟を決めたんだな)

星史「…よし、しっかり頼むぜ!」

ひかる「ええ!」

レジーナ「そうとなったら、早速行動開始ね、アジトの情報を早急に集めるわよ」

勇太「うん!」

星史「ああ」

星史(…待ってろよ、黒幕…今度こそとっ捕まえてやる…)

三度訪れた事件に決意を新たに臨む面々。

物語はこれからが佳境となる。



to be contined...

あとがき

今回は手短に。

今回からより情景をより想像できるようにフリーの素材絵をお借りし挿絵として使用してみました。

もちろん、持ち出し厳禁ですので、ブロック処理もしてますのでよろしくお願いします。

次回をお楽しみに。

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